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    vol.19 「整形外科医×シンクロ全米選手権優勝のフィギュアスケーター」

    名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院 整形外科 助教 内田 絢子 先生
    Medeco 編集部

    オペもする氷上の指導者!選手を支える二刀流整形外科医

    本日も全国の整形外科医で、「医者以外にもコレ頑張ってるよ!」という大谷選手のように才能豊かな二刀流先生を紹介していきます!!

    本日ご紹介するのは、 「世界でメダルを目指した、氷上のアスリートドクター」 名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院 整形外科 助教 内田 絢子(うちだ あやこ)先生です!!

    トップアスリートから整形外科医へ

    内田先生は、名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院に勤務する整形外科医(助教)です。早稲田大学スポーツ科学部を卒業後、弘前大学医学部に編入し、2019年に卒業されました。今年4月には整形外科専門医を取得されています。

    そのもう一つの顔は、フィギュアスケートの団体種目、シンクロナイズドスケーティング(以下「シンクロ」)の指導者です。シンクロは、16人の選手が一体となり、フォーメーション変化の正確性や芸術性などを競い合う競技です。

    世界を舞台にした輝かしい実績

    内田先生ご自身も、シンクロのトップ選手として世界で活躍されました。2001年から2006年は日本代表として国際大会に多数出場しています。大学2年次にはアメリカに渡り、ボストンを拠点とする全米トップチームに所属。2011年にはシンクロ全米選手権大会 優勝、世界選手権大会 3位という実績を残しています。指導者としても、昨年は日本代表チームの指導に携わり、指導したチームは2025年世界選手権で日本代表として過去最高順位の9位を記録しました。

    整形外科を学ぶ原動力

    では、なぜ競技者から整形外科の道を選んだのでしょうか。そのきっかけは、現役時代の度重なる怪我でした。右肩関節の反復性脱臼など、2度にわたる手術とリハビリを経験し、悔いの残る引退をされたそうです。その過程で芽生えたのが、「スポーツドクターとして選手を支えたい、少しでも長く選手をしてもらいたい」という強い想いでした。

    「医学の知識が指導に生かされ、現場で得た気づきが臨床に戻る」。この相互作用こそが、内田先生の二刀流の原動力です。

    「ケガをさせない指導」を目指して

    内田先生は、整形外科医として得た専門的な知識を、指導現場に持ち込んでいます。整形外科という職業とシンクロという競技の親和性は非常に高いと先生は感じており、医学部で学んだ基本的なことや整形外科研修で得た専門的な知識は、効果的なトレーニングを行う上で非常に有利に働きます。

    コーチングでは、技術の向上だけでなく、練習環境における安全確保や、選手の怪我の評価、トレーニング強度の調整、障害予防指導など、医学的な観点からの支援を積極的に行っています。

    特に、怪我を抱えた選手がいる場合は、周辺のクリニックと連携し怪我の状態を詳細に把握することで、今の状態でその選手ができる技や範囲を明確にし、練習になるべく参加できるよう配慮しています。これは、自身の競技経験と整形外科医の視点が融合した、選手ファーストのサポート体制です。

    両立を可能にした「職場の理解」

    シンクロの指導をしたいという気持ちは医師になってもずっとありましたが、時間的な制約から両立は現実的ではないと考えておられました。しかし学会でお話しした村上教授に背中を押され、名古屋市立大学整形外科への入局を決意しました。

    現在は、スケートの拠点が東京にあるため、毎週金曜日から日曜日の夜まで東京での練習に参加し、合宿や遠征にも帯同。このハードな両立は、職場の深い理解と協力によって支えられています。

    「医師とコーチの両立の実現には職場の理解が不可欠です」。整形外科医としてのキャリアを犠牲にすることなく、今スケートの活動ができていること、医局やみどり市民病院の皆様の応援とご協力がいただけていることに心から感謝していると語っています。

    若手へのエール:「隙間時間」を制する者

    「日々臨床が忙しい中での勉強お疲れ様です」と、内田先生はまず若手整形外科医の皆さんに温かいエールを送ります。


    「なかなかまとまった勉強時間も取れず、机に向かうといつの間にか寝てしまうのは、きっと私だけではないと思います」と、多忙な若手医師の悩みに共感しつつ、勉強へのエールを語ってくれました。

    「是非、隙間時間、移動時間にMedecoを活用して専門医試験を頑張ってください」。この言葉は、自らもハードな両立を続ける内田先生自身の経験から出てきた、心強いメッセージです。

    メダルを目指す、終わりのない挑戦

    内田先生は、整形外科医としては、今後スケートで怪我の多い足の勉強を深めていきたいと語ります。その上で、専門性を持ちながらも、全身を診られるジェネラリストにもなりたいという目標を持っています。

    そして指導者としては、現在立ち上げ準備を進めている新しいシンクロチームを、「いずれは世界でメダルがとれるチーム」に育てていきたいという壮大な目標を掲げています。今後は、指導者として、そして整形外科医としてサポートできる環境を構築したいという展望も持っています。

    「私自身、引き続きご支援がいただけるよう、チームの一員として日々精進してまいります」。選手を支えたいという揺るぎない想いを原動力に、競技と医学のフィールドで成長を続ける内田先生。その挑戦は、私たち若手整形外科医に、専門性だけでなく、人生をかけて打ち込む情熱の重要性を教えてくれるでしょう。

    内田 絢子(うちだ あやこ)先生

    • 所属: 名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院 整形外科 助教
    • 専門: 整形外科専門医(2024年4月取得)
    • 活動: シンクロナイズドスケーティング インストラクター(元日本代表チーム指導者)
    • 主な競技実績:
      • 2011年 シンクロ全米選手権大会 優勝
      • 2011年 世界選手権大会 3位