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    MTXが効かない時どうしますか?

    Ikko先生!MTXを8週間使っているんですが、まだ痛みが改善しないって...。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    はい、そこで焦って中途半端な増量をしましたね?
    え...はい。10mgまで増やしたんですが...。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    治療効果判定の指標は何を使った?
    えっと...痛みが改善しないって言われたので...。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    (厳しい表情で)主観的な痛みだけで判断したのか。DAS28-CRPは計算した?
    あ...計算してません...。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    効果判定には客観的な指標が必要だ。DAS28-CRPをはじめ、SDAI、CDAI...これらの評価法を知っているか?
    あまり...詳しくないです...。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    では、今から説明する。ただし、この関節には足関節以遠が含まれていないので注意だ。そして、圧痛点ではなく、本当に腫れている関節を数えることが重要になる。それにCRP、患者さんのVASを組み合わせて算出される。

    VAS(バス)値

    長さ10cmの水平な線上で、0 [左端]を体調が大変よい(症状がない)、100 [右端]を体調が非常に悪い(過去最大の症状)とした場合、現在の症状がどのあたりかを評価します。下図の場合、VAS値は33となります。

    VAS(バス)値VAS(バス)値

    DAS28

    DAS28(Disease Activity Score)は、圧痛関節数、腫脹関節数、患者VAS、急性期反応物質(血液検査でわかるCRPまたはESR)によってリウマチの活動性を表します。

    CRPを使った計算式

    DAS28-CRP = 0.56×√(TJC)+0.28×√(SJC)+0.36×LN( (CRP)×10 +1)+0.014×(VAS)+0.96
    LN: 自然対数、CRP (mg/dl)、VAS (患者による全般評価: 0-100mm)

    計算に便利なサイトはこちら(大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学のサイトへ遷移します)。

    SDAI

    SDAI(Simplified Disease Activity Index)は、圧痛関節数、腫脹関節数、患者VAS、医師VAS、急性期反応物質(血液検査でわかるCRP)によってリウマチの活動性を表します。

    計算式

    SDAI = 圧痛関節数 + 腫脹関節数 + 患者VAS + 医師VAS + CRP(mg/dl)

    ※ CRP (mg/dl)、VAS:10㎝VAS

    CDAI

    CDAI(Clinical Disease Activity Index)は、腫脹関節数、圧痛関節数、患者VAS、医師VASで病状を示します。CDAIは、血液検査なしで算出できる数値です。

    計算式

    CDAI = 圧痛関節数 + 腫脹関節数 + 患者VAS + 医師VAS 

    ※ VAS:10㎝VAS

    それぞれの指標に対する考え方

    以下の図のように、寛解に近づくほどDAS28・SDAI・CDAIの値は小さくなります。

    それぞれの指標に対する考え方それぞれの指標に対する考え方
    なるほど!これで客観的な評価ができるんですね。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    そう。そして、MTXが効果不十分と判断された時は、次の選択肢を考える。大きく分けて3つ。
    次の選択肢
    1. csDMARDsの追加
    2. bDMARDsへの切り替え
    3. JAK阻害薬の使用
    どれを選べばいいんでしょうか...。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    それぞれの薬剤の特徴を理解することが重要だ。例えば、サラゾスルファピリジンは妊娠可能な女性に使いやすい。一方、生物学的製剤は効果発現が早いが、感染症のリスク管理が重要になる。
    生物学的製剤って、どれを選べば...。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    その前に!生物学的製剤を使用する条件を言ってみなさい。
    えっと...MTXを十分量使って...。
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    関節リウマチ診療ガイドラインでは、メトトレキサート(MTX)などの従来型合成抗リウマチ薬(csDMARDs)を十分量(例:MTX 8mg/週以上、可能なら12-16mg/週)投与しても、3~6ヶ月以内に寛解または低疾患活動性という治療目標を達成できない場合、Treat to Target(T2T)の原則に基づき生物学的製剤の追加・変更を推奨する。
    IKKO先生
    Dr Ikko
    特に、抗CCP抗体陽性や早期からの関節破壊などの予後不良因子を持つ患者さんでは、関節破壊の進行を抑制するために『Window of Opportunity』を逃さないよう、より早期からの生物学的製剤導入が有効であるというエビデンスがあるのだ。
    はい!でも、どの生物学的製剤を選べばいいんでしょうか?
    メデ子
    メデ子
    IKKO先生
    Dr Ikko
    それは次回の宿題だ。その前に、今日の要点を3つ確認しておこう。
    明日から使えるポイント
    • 効果判定は主観的な痛みだけでなく、複数の客観的指標を使用
    • MTX効果については、主観的な痛みだけでなく、複数の客観的指標を使用
    • 次の治療選択には、患者背景や特徴を考慮した総合的な判断が必要