骨粗鬆症の定義
次の患者さんは、骨粗鬆症で紹介された患者さんね。骨粗鬆症とかよく分かんないけど、とりあえず「DXA」ってやつをオーダーしておいたらいいわね。
メデ子
Dr Ikko
(隣から心配そうに覗き込む)
メデ子くん。ちなみに骨粗鬆症とはどのような病気か知っているかい?
メデ子くん。ちなみに骨粗鬆症とはどのような病気か知っているかい?
ええと、骨がもろくなる病気…ですか?
メデ子
Dr Ikko
ざっくりしてるな、、まあ正解だ。WHOの定義では、「骨粗鬆症は低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折のリスクが増大する疾患」とされている。
Dr Ikko
すなわち、骨量の減少または骨質の低下もしくはその両方により、骨が脆弱(ぜいじゃく)になり、骨折しやすくなっている状態だ。
Dr Ikko
さまざまな理由で骨の「強度」が低下して骨強度が低下した状態を骨粗鬆症と考えた方がいいな。
骨質とは?
骨の質?私の大好きなお寿司みたいに「量より質」ってことでしょうか?
メデ子
Dr Ikko
・・・骨の質とは、骨を形成する材料の特性(材質特性)や、その材料がどのような構造を形成しているか(構造特性)で決まる。骨質が正常な状態でなければ、骨密度が高くても骨折を起こしやすくなるんだ。
Dr Ikko
骨質が正常な状態でなければ、骨密度が高くても骨折を起こしやすくなるんだ。
骨粗鬆症のリスク要因
なるほど、それでは実際に骨粗鬆症を見るためにはどうすればいいんですか?
メデ子
Dr Ikko
骨質そのものを診るには特殊な装置が必要なんだが、 日常的には骨密度測定や臨床的リスク因子を考慮して評価するよ。特に骨粗鬆症の診断に有用なポイントは、低骨量と骨代謝回転の異常だ!
低骨量は分かるけど、、高骨代謝回転って、どういう回転ですか?
メデ子
Dr Ikko
骨の新陳代謝が活発で、骨が壊れやすく、再形成されるプロセスが速い状態を指す。このバランスが崩れると、骨量が減少しやすくなるんだ。
Dr Ikko
例えば女性だと、閉経して女性ホルモンが減少すると高骨代謝回転状態となり、骨粗鬆症となりやすい。
骨強度の低下の影響
わお!私も骨粗鬆症にならないように、ゆっくり生きていかなくちゃ!
メデ子
Dr Ikko
君はもう少し、高回転に生きてくれ、、骨強度の低下は脆弱性骨折につながるよ。
Dr Ikko
脆弱性骨折は、主に骨がもろくなりやすい部分、上腕骨の近位部や大腿骨の近位部、橈骨遠位端、胸腰椎の椎体などに起きやすい。
出典:http://jusei.or.jp/?p=2771順天堂大学整形外科講師・福島整形外科病院院長・式場病院理事長スライド より作図、一部改変
Dr Ikko
他にも骨盤や肋骨も脆弱性骨折に分類付けられていて、これは2018年の専門医試験にも出題がある!要チェックだな!
骨粗鬆症って奥が深い。。。この患者さん、既に圧迫骨折あるんですけどDXAそこまで低くないし、内服とかでフォローしたらいいですかね?
メデ子
Dr Ikko
何?!二次性骨折の患者か!二次性骨折を甘く見てはいけないぞ!
(頭から湯気)プシュー・・・
メデ子
今回のコレダケ
骨強度の低下 = 骨粗鬆症(骨粗鬆症は骨密度低値 だけではない!)
骨強度の低下の2大危険因子 ①低骨量 ②脆弱性骨折の既往
脆弱性骨折:上腕骨近位、大腿骨近位、手関節、胸腰椎、肋骨、骨盤(恥骨、坐骨、仙骨を含む)